ABA療法の考え方とメソッド
自閉症や発達障害で日本や米国で一番有名な療法はABAメソッドでしょう。
特に自閉症の療法としてインターネットや本屋さんで一番紹介されているのは、
ABAやTEECHですが、TEECHは家の中の環境を変える事などに重きをおいているので、
具体的な療法としてはABAメソッドが一番取り組まれていると思います。
また、それ以外の療法もABAやTEECHの影響を部分的に取り入れている事が
多く見受けられます。
ABAとは、応用行動分析(Applied Behavior Analysis)の略で、
1980年代に米UCLAのロバース博士(Dr. O.I. Lovaas)らの研究チームにより
米国で開発されました。
子供が変わった行動を取るその背景に注目し、良い行動を増やして
困った行動を減らしてゆくという方法です。
伸ばした行動には褒めたりお菓子をあげたりという「ご褒美」を与えて増やし、
抑えたい行動には、何も与えない事や軽い不快感を与える事で減らしてゆく
方法です。
社会生活における困難を軽減して、健常者に近い生活が送れるようにする事を
目的とした療法で、障害を根本的に治癒する治療法ではありません。
米国や英国ではABAの公的資格である認定行動分析士(BCBA)があり、
治療を受ける事に対して、医療保険の対象とされます。
ABAの先生の話で、非常にユニークだなと思ったのは、
子供にかけてあげる言葉です。
例えば、子供が怒った場合は、先生や親が投げかけてあげるべき言葉は、
「何で怒ってるの?」「怒っちゃダメだよ、よしよし」等でなく、
「生気(シェンチー)」(中国語で怒っているの意味)等です。
つまり、自閉症や発達障害の子供は自己表現能力が低いので、
彼らの心の声を代弁してあげる様な感じで、
この様な時はこういう風に言うんだよという事を訓練する訳です。
又、抱っこしてあげる事は、ABA療法でいうところの「ご褒美」なので、
泣いたりごねたりした時に、まずは落ち着かせる為に抱き上げるのは
逆効果となります。
泣いたのに抱き上げたら、泣いたことにご褒美をあげる事になるので、
子供はもっとやるようになるという事なのです。
こういう事を日常生活の全てで、延々と続ける事が子供の行動力や表現力の向上に
つながるという事で、実際、うちの子供の表現能力は上がったと思います。
もちろん、これだけでなく質問形式で、家族でドライブしていたら
お母さんが子供に「誰が車を運転してるの?」「パパ」という様な
問答を子供に投げかけて、最初は、その答えをお母さんが言ってあげて、
徐々に子供が自分で答えるように訓練して行きます。
台北のABAの教室
台湾にもいくつかのABAメソッドの教室がありますが
うちの子供が3歳の時に最初に通い始めたのが、台北市内湖区の芙爾德教育中心です。
この教室の創始者の先生は米国育ちで米国で児童心理学の博士号を取得している方です。
本場の米国でABAメソッドの研究や訓練を受けて、それを台湾で広めている先生で
著書も出版されており、雑誌等でも取り上げられています。
一クラスは約90分で子供には一人づつ担当のスタッフが付きますが、
クラスの一人の先生の指示を全員が聞いて進行してゆく様なクラス形式です。
0-3歳の幼児、入学前の2-5歳の子供、小学校以上の学童の年齢層で分けており、
その中でも曜日やいくつかの時間帯によって、いくつかクラスがあります。
うちの子供は、週に2回くらいのクラスを取って半年くらい通いました。
この教室は、商業プラザの2階のテナントの様な形で入口の受付応接間の奥に
10人くらいでお遊戯出来る様な少し広い部屋やトイレ等のスペースがあり、
その部屋の手前と奥に二つの教室があり、その他、一部屋はスタッフの控室があります。
靴を入れる下駄箱には、それぞれの子供の顔写真と名前が貼ってあります。
教育玩具を入れる棚にも、それぞれのおもちゃの写真が貼ってあります。
この様に写真や図を使って、子供に認識させたり誘導したりする方法は、
ABAと同じくらい有名なTEECHメソッドの影響ですが、良い部分は取り入れている
様です。
クラスでは、本やおもちゃ等を使って、子供の反応や表現をトレーニングします。
授業の最後には、みんなで広い部屋に集まって、
布のトンネルをくぐったり、目標まで物を運ぶという作業を、代わりばんこに
行います。
この芙爾德教育中心では、親が自閉症の子供にどう接して、家庭でどの様に
ABAのメソッドを子供に教えるかと言う事も色々と考えており、
親が受講するクラスも設定しています。
又、ABAクラスを取っている子供の親達が毎月集まって、先生からアドバイスを
受けたりする懇談会も開催しています。
芙爾德教育中心は、その特徴として4つのポイントを挙げています。
1、国外の機関の最新のABA療法の手法の動向をいち早く取り入れる。
2、教室と親と子供の三角関係の連携で子供の発展を考える。
3、それぞれの子供の症状に合わせた教育計画。
4、米国のABAの資格BCBAを保有する袁校長が講師を育成するコースも併設しており
講師の能力を充実させている。
現在、うちの子供は距離的に自宅から少し通いづらいという事や幼稚園の
特殊学級が始まった事や
このABAに通っていた時期は、うちの子供の言語の認識能力や情緒の不安定さも有り、
半年ぐらい通って一区切りとし、一時期ABAは中断しました。
その後、幼稚園の他に脳波療法や感覚統合のクラス等のトレーニングにより、
知能が向上したり情緒も安定してきましたので、
現在は、他のABAの教室にも週何回か通っていますが、
台北市内には、ABAの教室がいくつもありますので、ご興味あれば
インターネットで検索して見て下さい。
料金は100分で800台湾ドルぐらいです。
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